上原さんの工房を後にして、次に訪れたのは、“紅型(びんがた)”をつくっておられる染色家の玉那覇有公さんの工房です。
玉那覇さんは重要無形文化財保持者(人間国宝)で、沖縄の伝統的な紅型に現代の感覚をとりいれた作品を
制作しておられます。この日、玉那覇さんはご不在でしたので、奥さまにお話を聞かせて頂き、たくさんのデザインの帯や反物を見せて頂きました。
“紅型”とは、沖縄を代表する染色技法のひとつで、その起源は13世紀(1201~1300年)頃と推定されています。「紅」は色全般を指し、「型」は様々な模様を指していると言われ、琉球王朝時代は王族や貴族の衣装として染められていたそうです。
また、第二次世界大戦で多くの型紙や道具が焼失、その上、材料不足の中、拾った日本軍の極秘地図に下絵を描き型紙に、割れたレコード盤を糊置きのヘラに、顔料のかわりに口紅、落ちている薬莢を糊袋の筒先に使用していたそうです。それらの工夫や努力がなければ、紅型は無くなっていたかもしれません。
染めていく過程を目の当たりにして改めて手間のかかる作業だなぁと実感しました。
多彩な色使いは見る人を惹きつけますね。本当に美しいです!
つづく